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フジテレビの皆様を前に、吉田が語る「現代オタクの作法とタブー」 その④ 覇権アニメの話

1月22日金曜日朝にフジテレビで開催されたモーニングセミナー(講師:吉田尚記)。
題して、吉田尚記が語る「現代オタクの作法とタブー」。

コンテンツを作る「中の人たち」に向け、彼が語る今。
その模様を「yoppy」独占・連載でお届けしています。

4回目の今日は、「覇権アニメ」のお話。

※講演の一部を記事にしております。全部を聴きたい方はページ下動画にて、配信中。

 

「2016年初頭の覇権アニメ」は「おそ松さん」

娘と彼女とっていう「概念の差」の他に、どういう風にして「作品」や「アイドル」がブレイクしていったりするかっていうのを見ていると、アニメの場合、本当にネットがほぼ全てです、最近。ここ10年で完全に、業界が出来てしまいました。「ハケンアニメ」って言葉聴いたことある方いらっしゃいます?辻村深月さんにカタカナで「ハケンアニメ」っていう小説があったりしますが、あれはたぶん2つの意味があって、1つは作っている人たちが正社員じゃなくて「派遣(社員)」で作っているって意味合いもあるんですけど、もう一つは「覇権」、すべてのものをルールしている・支配している作品っていう意味で、ハケンアニメという言葉があります。

これはもともとアニプレックスに高橋祐馬さんっていうプロデューサーの方がいまして、この方が初めて「覇権アニメ」という言葉をそういう雰囲気の言葉として使ったと言われているんですが。
その作品っていうのはどうして出来るのかというと、売上が非常に高い作品のことを言うんですけど、あれってネット上のやりとりで作られるんですね。

ちなみに2016年初頭の覇権アニメは何か、今みなさまご存知でしょうか。正解は「おそ松さん」なんですが。

なぜ、おそ松さんがそうなったかというと、おそ松さんは狙っていたのか、狙っていなかったわかりませんが、すごい人気男性声優さんたちを6人揃えて出したら、あの「おそ松さん」の画って昔の赤塚不二夫さんのデザインとほぼ変わってないデザインなのに、いわゆる腐女子と呼ばれる「男子キャラの好きな女性」が全員「おそ松さん」に乗っかっていってる状況になっている。

たぶん、昔だったらこれ起きないんですよ。ネットが無い状況で、1対1で放送見てると、お互いに面白いよ!って言っても、情報の流通まで、相当な時間がかかるんですね。そうすると3ヶ月とか半年とかやっているうちに、ブレイクのところまでたどり着くことはなかった。

だけど、あたしたちの心になんか響くものがあるよっていうのを、お互い女子アニメファンどおしがやり取りをして、あっという間にうわっと集まって、「ウィナー テークス オール(勝者総取り方式)」みたいな状況がすぐ起きるんですよ、アニメに関しては。

それがウィナーになったのを「覇権アニメ」と呼ぶっていう状態になっていて、このシーズンはAとBとCとDが勝ったよねみたいな、4つ勝ったみたいなことはほぼ起きなくなってて、勝ったのが大体1個か2個、ほとんどの場合1個みたいな状況がずっと続いております。限られた市場を食い合っていると。

で、ネットによって情報が拡散しやすくなったって思ってる方がいるんですが、逆に拡散しなくなっています。
これはアイドルの例にもなっちゃうんですけど、AKB48グループって当然アメブロやっててtwitterやっててGoogle+やっててっていう状態じゃないですか。AKB48グループが1日に発信する情報を全部消費しようとすると、一説には「1日6時間かかる」んですって。全部読むだけで。そんなこと誰もしてないわけですね。
ファン側からすると、供給がすごい量来ちゃってるので「供給過剰」なんですよ。
そうすると実はアイドルって、AKBで中の人の入れ替えがあるとしても、大体昔だったらブーム終わってるんですよね。なのに、ブームは終わっていないのはなぜかと言うと、延々自分の好きなものだけを消費し続ける状況が出来ちゃったんですよ。受け取り側からすると。
もう、新たなことを知らなくても大丈夫みたいな状態になっていて、AKBの現場に行くとわかるんですけど、AKBファンはAKB以外のことに本当に興味がない。例えばハロープロジェクトのことを知らない。逆にハロープロジェクトの現場に行くと、全体のアイドルを知ってるっていう人がまた全然いないっていう状態になっていて、同じアイドルファンの中でも、AKBファンとハロプロファンで全く別のことを考えている。

アニメの方も同じで、あるアニメのファン、例えば「ガールズ&パンツァー」の劇場版が、それも10億円突破したのかな、くらいまできてるんですけど、「ガールズ&パンツァー」の劇場版の話を、「おそ松さん」のファンに話しても、何もわかんないです。それくらいに細分化しちゃっている。

すごい細分化しちゃってて、お互いがお互いのことを知らないまま、横のことを見ないまま、自分たちの好きな情報の蛸壺の中でずっと生きているみたいな状態が、今無数に生まれています。

旧来のマスメディアの常識からすると、無かったですよね、これ。
世の中で強力に何かを楽しんでいる人を連れてくるということにすると、みんながある程度勢力図が塗り替わるみたいなことはもう起きなくなっちゃっている感じです。

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