10月からスタートしました「八雲ふみねのシネマコンプレックス」。シネマアナリストの八雲ふみねが、映画・ODS上映作品について紹介していきます。
第2回は、今週末10月15日(土)から1週間限定公開となる「機動警察パトレイバーREBOOT」を特集します!
【八雲ふみねのシネマコンプレックス Vol.2】
日本アニメーション史に名を残す人気作が、新たな歴史の扉を開く!
1980~90年代に人気を博し、アニメや漫画、実写映画などで展開され続けてきた「機動警察パトレイバー」が、完全新作アニメーション『機動警察パトレイバーREBOOT』として完全復活。東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7で開催される「日本アニメ(ーター)見本市 EXTRA」で、10月15日から1週間限定上映されます。
「日本アニメ(ーター)見本市」は、ドワンゴとスタジオカラーの共同企画による短編映像シリーズプロジェクト。2014年の第27回東京国際映画祭特集上映「庵野秀明の世界」でプロジェクト発足が発表されて以来、これまで35話まで公開。声優はすべての作品を山寺宏一、林原めぐみが担当。もちろん、今回の『機動警察パトレイバーREBOOT』でも、二人が声優として出演しています。
2014年から2015年にかけては押井守監督によって『THE NEXT GENERATION パトレイバー』の名で実写作品も製作された本シリーズ。劇場公開時には、私もイベントの司会などで関わらせていただきました。その「パトレイバー」が新作アニメーションとして復活するならば、是非観たいっ!!!…と熱望していたところ、なんと!一足早く本編を観ることが出来ました!!!
新作『機動警察パトレイバーREBOOT』は、10分の短編。監督を務めたのは『イヴの時間』、『サカサマのパテマ』の吉浦康裕。脚本は劇場版パトレイバーシリーズを手がけた伊藤和典。キャラクター原案に漫画版作者のゆうきまさみ、作画監督を浅野直之。そしてアニメーション制作は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズなどで知られる庵野秀明監督が率いるスタジオカラーが担当するなど、錚々たるスタッフが集結しています。
かつて「パトレイバー」に魅せられたファン世代が製作者として加わることで、オリジナル版が持つ空気感を残しながらも、新たな息吹も感じる作品に仕上がっています。これぞファンが観たかった!「機動警察パトレイバー」と言えるでしょう。
「機動警察パトレイバー」が面白いのは、私たちが生活する現代から約10年後を舞台設定にしていること。もともとのオリジナル作品群で描かれていたのは、1990年代後半から2000年代初頭の“近未来”。
いま改めて作品を振り返ると、当時の「パトレイバー」で描いていた世界観は、特にテクノロジーの部分でかなりの確立で実現されており、時代を一歩先取りした作品だったことが認識出来ます。人類とレイバーがいかに共存し、テクノロジーの発達によって私たちの生活がどう変化するのか。時代の少し先に触れることで、世の中がどう変化していくかをリアルに感じ取ることが出来ました。
では、新たにリブートされた本作では、どのような世界観が描かれているのか。それは観てのお楽しみ…といったトコロではありますが、「もしも現代にホンモノのレイバーが存在するなら…」という、リアリティやワクワク感を存分に楽しむことが出来ました。それと同時に「エピソード0(ゼロ)」的な位置づけのようにも感じられ、ひょっとしたらこれを機に新たな「パトレイバー」のストーリーが始まるのでは…という予期感も高まります。
まぁ、これは私の勝手な見解であり、今後の「パトレイバー」プロジェクトへの個人的な期待といった方がいいかもしれません。だって、さすがにレイバーなる巨大ロボットまでは誕生しなかったけれど、当時描かれていた世界観は「いまや“フィクション”ではない」という事実を知っているが故、否応なく、「この続きが観たいっ!!!」と思ってしまうワケですよ。
時代が変わっても常に“リアル”であり続けることは、「パトレイバー」シリーズの醍醐味。それを大スクリーンで体感出来るのは、1週間限定です!
機動警察パトレイバーREBOOT
2016年10月15日から『劇場上映 ゴーゴー日本アニメ(ーター)見本市』にて1週間限定上映!
上映期間:2016年10月15日~21日
上映館:新宿バルト9(東京)、梅田ブルク7(大阪)劇場先行版Blu-ray
新宿バルト9、梅田ブルク7にて2016年10月15日発売
バンダイビジュアルクラブ(BVC)にて2016年10月21日発売
(リンク https://bvc.bandaivisual.co.jp/feature/191/ )
発売元:バンダイビジュアル特装限定版Blu-ray&DVD
2016年10月26日発売
発売元:バンダイビジュアル【スタッフ】
原作:HEADGEAR
監督・絵コンテ・演出・撮影監督・編集:吉浦康裕
脚本:伊藤和典、吉浦康裕
キャラクター原案:ゆうきまさみ
アニメーションキャラクターデザイン・作画監督:浅野直之
メカニカルデザイン:出渕裕
CGI作画監督:松井祐亮
CGI監督:小林学
色彩設計・色指定・検査:中内照美
美術監督:金子雄司
音楽:川井憲次
音響監督:山田陽(サウンドチーム・ドンファン)
監修:出渕裕
企画・エグゼクティブプロデューサー:庵野秀明
アニメーション制作:スタジオカラー
【キャスト】
山寺宏一、林原めぐみ
【公式サイト】
http://www.patlabor-reboot.jp/