2月1日(水)、新宿ピカデリーにて、第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の受賞を記念した、大ヒット上映中の映画『聲の形』の舞台挨拶付き上映会が実施された。
客席には、これまで何度も見たという方も多く、中には今回が66回目というアツいファンも。
上映前の舞台挨拶には、山田尚子監督、ヒロイン西宮硝子役の早見沙織が登壇。お互い「おめでとうございます」と言いあいながら和やかな雰囲気でスタートした。これまで、山田監督は28回、早見は14回、映画『聲の形』の舞台挨拶に参加しているとのことだが、「もう一回くらい舞台挨拶ができたら」と話していたということで、実現を喜んでいた。
山田監督は、今回の受賞を知った時のことについて、
「松竹さんからのメールで受賞を知りました。ただ、“作品賞をいただきました”とは書いてあるのですが、最後まで作品名が(文面に)出てこないので、違う作品のことかもしれないと思って、喜びそびれました」
と、ユニークなエピソードともに紹介。
映画『聲の形』の収録がどのような現場だったかという問いに対して、
「濃密な1日半でした。(レギュラーのように)毎週毎週顔を合わせて録っていたわけではないのに、とっても結びつきが強かったです」
と早見が語っていたが、今回の舞台挨拶に参加できなかった石田将也役の入野自由からも、
「みんなが同じ方向を向いて、精一杯の情熱と愛情を注ぎ込んだ『聲の形』が作品賞を受賞。作品にかかわった全員に贈られた賞ですね。この1つの結果が、より1人でも多くの皆様に「聲の形」を知って頂くキッカケになれば、これ以上に嬉しいことはありません」
とのコメントが届き、一丸となっていた現場の雰囲気が強く伝わることとなった。
最後に早見は、
「公開が9月で今日は2月。これだけ時間がたっても、多くの皆様と『聲の形』が共有できるのがすごくうれしいと思いますし、これからもこの作品を胸において、また今年1年を過ごしていただければさらにうれしいです」
と話し、山田監督は、
「見た方に少しでも希望の光を灯すことができればと、スタッフ一同本当に心を込めて、愛をこめて、人生を込めて作った作品です。2月になりましたが、まだその大事なものは冷めていませんので、これからもどうぞよろしくお願いいたします」
と話し、舞台挨拶を締めくくった。
時間がたってもいろいろな感じ方ができる映画『聲の形』。
壇上では、Blu-rayとDVDの5月17日発売も発表されたが、これによって、さらに違う光を自分の中に灯すことができるのかもしれない。
【作品情報】
<イントロダクション>
「このマンガがすごい!2015」(宝島社刊)オトコ編第1位、第19回「手塚治虫文化賞」新生賞受賞!まっすぐに「いま」と向き合う少年少女の姿を等身大に描き、全世代から共感と感動を呼んだ名作、大今良時の漫画「聲の形」。 このベストセラーコミックが、日本アカデミー賞 優秀賞を獲得した『映画 けいおん!』(11年)など、多くの作品を輩出し続けている京都アニメーションによりアニメーション映画化された。
<あらすじ>
ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。
「いい奴ぶってんじゃねーよ。」自分の想いを伝えられないふたりはすれ違い、分かり合えないまま、ある日硝子は転校してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
あの日以来、伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れる。
「俺と西宮、友達になれるかな?」
再会したふたりは、今まで距離を置いていた同級生たちに会いに行く。
止まっていた時間が少しずつ動きだし、ふたりの世界は変わっていったように見えたが――。
<キャスト&スタッフ>
キャスト:石田将也:入野自由/西宮硝子:早見沙織
西宮結絃:悠木碧/永束友宏:小野賢章/植野直花:金子有希/佐原みよこ:石川由依/
川井みき役:潘めぐみ/真柴智:豊永利行
石田将也(小学生):松岡茉優
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:西屋太志
美術監督:篠原睦雄
色彩設計:石田奈央美
設定:秋竹斉一
撮影監督:髙尾一也
音響監督:鶴岡陽太
音楽:牛尾憲輔
主題歌:aiko「恋をしたのは」
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:映画聲の形製作委員会(京都アニメーション/ポニーキャニオン/ABCアニメーション/クオラス/松竹/講談社)
配給:松竹