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幻の衝撃作、ついに解禁!『虐殺器官』【八雲ふみねのシネマコンプレックス】

シネマアナリストの八雲ふみねが映画・ODS上映作品について紹介する「八雲ふみねのシネマコンプレックス」。
第18回は、2月3日から公開となる『虐殺器官』を特集します。

数々の試練を乗り越え、「Project Itoh」ついに完結。

 

ノイタミナムービーが贈る「Project Itoh」。
夭折の作家・伊藤計劃氏の原作小説3作を劇場アニメーション化していくこの一大プロジェクトは、『屍者の帝国』『ハーモニー』に続き、いよいよ本作『虐殺器官』が公開となります。

2007年に刊行された原作は、“ゼロ年代最高のフィクション”と称えられた伊藤計劃氏の長編デビュー作。
その完成度や、いかに…。

テロの脅威にさらされ続けたアメリカは、その恐怖に対抗すべく徹底した情報管理システムを構築。
その一方で、アメリカ以外の世界各地では紛争の激化が続いていた。

紛争地帯を渡り歩くアメリカ軍特殊部隊のクラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。
その人物は、ジョン・ポール。
世界各所で起こる紛争や虐殺の影には、優秀な言語学者だったというジョンの影がちらついていたが、その紛争が泥沼化に陥れるとこつ然と姿を消してしまう男だった。

ジョンがチェコに潜伏しているという情報を入手したクラヴィスは、追跡を開始。
するとそこには、驚きの真実が隠されていた。

元々は、「Project Itoh」3部作の第1作となるハズだった本作。
製作会社の倒産、公開延期という障壁を乗り越え、ようやく日の目を見ることになりました。
監督を務めるのは、「機動戦士ガンダムW」のキャラクターデザインなどで知られ、テレビアニメシリーズ「Ergo Proxy」の村瀬修功。
リアルで鮮烈な戦闘シーンと内省的で繊細な心理描写を巧みに描き、結果、3部作のラストを飾るに相応しいクオリティの作品になりました。

「人間には虐殺を司る器官が存在し、その器官を活性化させる“虐殺文法”が存在する」というコンセプトを元に描かれている本作。
この設定が現実の世界情勢とリンクし、まるで世界のどこかで勃発している紛争を目の前に突きつけられるよう。
重くのしかかってくるようなリアリティに圧倒されます。
同時に、観る者を惹き付けるストーリーの力も申し分なく、“ゼロ年代最高のフィクション”と称えられた原作に偽りなしといったところでしょうか。
本作をきっかけに、伊藤計劃氏の原作小説に改めて触れてみたくなりました。

虐殺器官
2017年2月3日から全国ロードショー
監督・脚本:村瀬修功
キャスト:中村悠一、三上哲、梶裕貴、石川界人、大塚明夫、小林沙苗、櫻井孝宏 ほか
©Project Itoh/GENOCIDAL ORGAN
公式サイト http://project-itoh.com/

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