年間約500冊の漫画を購入する生活を20年以上続ける“マンガマニア”で、“マンガ大賞”の発起人でもあるニッポン放送アナウンサー吉田尚記が毎週1冊オススメの漫画を紹介する「講談社presents 吉田尚記のコミパラ!」
第21回目にご紹介したのは、『月刊アフタヌーン』にて、好評連載中の野球場×グルメ漫画「球場三食」(著:渡辺保裕)。
今回、ご紹介する『球場三食』という漫画は、実在する野球場に主人公が足を運び、実在するスタジアムグルメを味わうという今までになかったジャンルの漫画なのだが、アナウンサー界でも群を抜いたオタク気質の吉田アナウンサーは、インドア派に見えて、意外にも野球はお好きなようで――。
吉田:今日は、里崎さんがここにいてくれることにメチャクチャ意味がある。
『月刊アフタヌーン』って漫画自体が他の方たちがなかなかテーマにしないモノを
漫画にして載せることでお馴染みの、漫画の実験場みたいな月刊誌なんですけど、
その『月刊アフタヌーン』で連載がまだ始まって1年経っていない、
『球場三食』という漫画でして、渡辺保裕さんという方がお描きになっているんですけど。
まず、どう書くかというと、“球場”は野球場の“球場”なんですけど、
そこに“三食”と書いて、“三食(さじき)”と読ませる。
何かというと、野球観戦って行ったときに、そこで何にも飲み食いしないで帰る人って、
そういやいないよねって。
里崎:まぁ、そうそういないっすよね。
吉田:確実に何か食べるじゃないですか。そこに、こだわりにこだわり抜いた、
球場に飯を食う――ほぼ、だけの漫画です!
里崎:ほぉ!ちょっと、それ僕、詳しいですよ!
吉田:ですよね! 本当に良く出来ている。僕も実は、皆さん、あんまり野球好きだと
思っていないかもしれないんですけど、中学生のときとか、“スワローズ 友の会”とか
入ってたんですよ。“スワローズ 友の会”って、中学生までは神宮球場、内野自由席までは、
無料で入れるんです!
里崎:えー!?
吉田:何回でも入れるんですよ!今はどうか分かんないですけど、僕が中学生当時ってそうだったんで、
年間20~30試合とか、実は神宮球場に野球を観に行っていたんですよ。
そのときに凄く思ってたのは、もしかして、地球上で一番気持ちが良いところっていうのは、
野球場のスタンドかもしれないと!本当に思ったんですよ。野球場まで歩いていって、
球場の中に入ると、まずは建物じゃないですか。スタンドの中って、どちらかというと
暗めですよね。暗めのスタンドから、グラウンドに繋がる細い通路をバーッて抜けていくと、
都心とかではまずあり得ない広いスペースが、そこにウワーって広がってて、
だいたいナイターとかやる時間帯って、一番気持ちが良い、夜が暮れてきているときじゃないですか。
野球やっているシーズンは暖かいから、これから自由な開放的な時間が広がるんだ!
ウワー!ってときに、「ここで一杯~~!!」みたいになるじゃないですか。
中学生のときには流石に一杯はなかったですけど。大学生とか社会人になってから行くと。
「こんなに良いとこないよね~」というこの気持ちよさって、確かに漫画になってなかったんですよ。
里崎:そんな見方の漫画ないっすよね!
吉田:そこに、こだわりにこだわり抜いて、この漫画は、各色んなスタジアムに入っていって、
主人公の人が色んなグルメを食べ尽くしていくっていう漫画でして。
そこに出てくるのが確かにそうなんですよ。
ちなみに、この『球場三食』、“三食”って書いてあるのは、
球場に入ったら、三食、その日は球場以外でご飯を食べないってルールなんですよ。
この主人公が。一番初め、神宮球場に行くと、一番初めは、
「辛味噌ラーメン(750円)と決めていた」。
里崎:知ってますよ。
吉田:知ってます? 外野コンコース「麺や秀雄」の“辛味噌ラーメン”。
先着40食までは、生麵が使用される。計算通り。セーフみたいな。
里崎さん、ご存知でしたね。
里崎:このラーメンは知ってます。
吉田:里崎さんも野球解説者ですから、年間何十試合も――
里崎:結構、神宮行きますからね!
吉田:ですよね?
普段は、吉田アナウンサーがオススメの漫画を紹介する「コミパラ!」だが、今回は、ここから里崎さんに押されっぱなしの展開に――。
里崎:僕の一番好きな神宮のご飯とこのラーメンは違いますけどね。
吉田:え!? このあともね、この主人公、“三食”食べますから。他にも出てくるんですけど。
里崎:出てくるかな? 俺が好きなの。
吉田:ちなみに、里崎さんがお好きなやつは?
里崎:僕の好きなのはですね、レフトポールくらいのところにある、生姜焼き丼。
これとライトスタンドの下くらいにある四川麻婆豆腐丼。
それとバックネット裏にあるフィリーズってメニューのサンドイッチ。
吉田:達人がいたよ。
里崎:あっはっはっは(笑)
吉田:ここにもう一人、達人がいたぜ。
里崎:この3つは、僕の中でめっちゃ美味しい!
吉田:本当ですか!(『球場三食』に出てくるのも)本当に全部、美味しそうで、
「後楽」の焼き鳥、2本で350円、いわしのげんこつ揚げ1個150円。
「ルゥジャパン」のソーセージ・メガ盛り800円。これが最後に出てくるんですよ。
この神宮球場って、ドーム球場じゃないから火が使えるんですってね。
里崎:そうそうそう。そうです!
吉田:逆に東京ドームとかだと――
里崎:東京ドームが火が使えないから弁当系が多いんですよ!
東京ドームで僕が一番好きなのは、ライトのスタンド手前、内野席・自由席辺りの端の方にある
「(札幌)蟹工船」ってところの、蟹三昧的なお弁当。高いんですけど、美味しいです!
吉田:凄い!『球場三食』の中にも、東京ドームは
クオリティは高いが値段が高いっていうのが出てくる(笑)
里崎:一緒の意見だ!(笑)
里崎:その「(札幌)蟹工船」の横にあるクレープ屋のクレープを今日、食べようかどうかって
いつも迷う!食べたら太るなー。でも、クレープが俺を呼んでるけど、
ライトまで歩いて行かないといけないっていうね。葛藤に駆られながら、
歩いて行って買います。
吉田:凄い! いや、もうね、(これまでの野球漫画って)色んなところにこだわって
来たじゃないですか?当然、凄いピッチャーが出てくる、凄いバッターが出てくる、いや、
派手な選手ばかりじゃない、戦略だ!みたいになったときに、
とうとう球場で飯を食うって漫画が出てきた!
しかも、ここまで来る人だから、もう見方がマニアックで、1話の神宮球場の回とか、
最終的に試合展開は……、これ読んでいる人はほぼ、試合展開が頭に入ってません(笑)
試合展開じゃなくて、審判の人が説明するじゃないですか。責任審判が誰で、
誰がマイクを持って説明したかっていうのが最大のハイライトですから!
里崎:あっはっはっは(笑)
吉田:マニアックにも程があるんだけど、ただ楽しさは100%伝わってくる!
里崎:これを読んで、その球場に行くと、多分、面白さ、倍増っすね!
吉田アナウンサーも「革命的な野球漫画だと思います!」、里崎さんも「是非、読んで欲しい!」と太鼓判を押す『月刊アフタヌーン』にて、好評連載中の漫画「球場三食」(著:渡辺保裕)。
読んだ後、思わず、球場に足を運びたくなってしまう作品となっている。
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吉田尚記のコミパラ! | ニッポン放送 | 2017年2月24日(金)
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