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原点とステップアップを魅せたステージ  『舞台「Wake Up,Girls!青葉の記録」』レポート

2017年1月19日(木)から22日(日)、『舞台「Wake Up,Girls!青葉の記録」』の公演が東京都渋谷区の“AiiA 2.5 Theater Tokyo”にて、全8公演開催された。

アニメ『Wake Up, Girls!』は2014年1月公開の劇場版『Wake Up, Girls!7人のアイドル』でスタートし、連続してTVアニメを放送。2015年には、続・劇場版の前編、後編とストーリーを重ねてきた人気アニメタイトルだ。2017年には“新章”としてのTVアニメの放送が発表されている。

そのシリーズの起点である『劇場版』をベースにしたのが今回の舞台。本来的に、“ハイパーリンク”として、メインキャストの役柄と担当声優につながりを持たせているのが『Wake Up, Girls!』なので、まさに2.5次元舞台にうってつけであり、声優と役者が一緒ということでは2.5次元をも超越した舞台なのである。その話題性もあって、非常に人気の高い公演であったが、幸いチケットの抽選に受かり、観覧することができた21日(土)夜公演の模様をレポートする。

公演が全て終了したということで、多少のネタバレ含みの部分もあることをご了承のほど。。。

【開演前から仕掛けが】
着席をして開演を待っていると、開演前の“アナウンス”が流れてきたが、そのボイスは菊間夏夜(CAST:奥野香耶)。しっとりとしたボイスは確かにアナウンス向きだ、と感心している中で、いよいよ開演。

すると、大田組の3人が客席経由で登場!アニメの中でWake Up,Girls!(以下WUG)のファン“ワグナー”の代表として描かれてきた男たちだ。そうきたか!という演出。
『ワグナーのみなさん、オイーッス!』
という大田氏のコールに対し、オーディエンスが
『オイーッス!』
とレスポンス。さすがの連帯感。

マル秘資料『WUGあるある』を拾ったという流れで中身が紹介され、
『よっぴー:I-1clubの曲が流れ出すと舞台そでで踊り出す』
『みゆ:それを見て踊り出す』
『あいり:それを見ても決して踊らない』
という三段落ちに会場は爆笑。
他の公演ではどのようなネタであったのかも気になるところ。

そして大田組から観覧上の注意事項が説明され、3人からのによる“Wake Up, Girls!”コールが盛り上がり、会場が温まったところで、いよいよ本編へ。

【緩急のあるストーリー】
クリスマスの勾当台公園に立つ島田真夢(CAST:吉岡茉祐)、という印象的なスタート。
真夢の迷い・決心が物語の軸になっていくが、冒頭からその演技と表現には圧倒された。

アニメ的に表現すると“アバン”と言えるシーンであるが、この勾当台公園のステージへたどり着くまでの物語が、今回の舞台のストーリー。

 

その“アバン”を経て、WUGによる『タチアガレ!』。劇場版の主題歌だ。

このLIVEにプロジェクションマッピングを活用し、映像に連動してキャスト紹介をしていく流れが、アニメのOPのような構成になっていて興味深かった。

ストーリーの中で興味深かった一つが、WUGメンバーオーディションのシーン。七瀬佳乃(CAST:青山吉能)がコーラスのような歌い方をしたり、片山実波(CAST:田中美海)がモノマネをしたり、岡本未夕(CAST:高木美佑)が“ダイソン高木”とコールされたり、久海菜々美(CAST:山下七海)が唐突に180度開脚を試たり・・・『それは“中の人”でしょ!』『その役はそんなことしないでしょ!』とツッコみたくなる“アソビ”がふんだんにあった。

そして序盤から印象に残ったのは、林田藍里(CAST:永野愛理)の演技。藍里の “自信がない”性格がよく伝わってくる芝居であった。

そして、初の舞台経験ながら強いオーラを発していた、I-1club・岩崎志保役の大坪由佳にも圧倒された。

 

大坪はアニメでも志保を演じているが、「自分以外の人が志保を演じるのはちょっとやだなと思って」オファーを受けたという。その役へのこだわりが詰まった演技であった。

その志保のまわりを固めるI-1clubメンバーのCASTには、ダンス経験者がそろい、劇中のレッスンやLIVEシーンが非常に締まった。

その中でも、吉川愛役の岩田華怜が、元AKB48ならではの、キレだけではない“キュートさ”をダンスに垣間見せていたのが印象に残った。

ストーリーは、エピソードの内容や時系列には『劇場版』と若干の違いがあったが、当初から脚本を書き、今回も担当している待田堂子さんならではの、愛情あるアレンジを感じた舞台であった。

【アツいミニライブ】
そして公演後のミニライブもアツかった。
まずは、Wake Up, Girls!の新曲『ゆき模様 恋のもよう』。MONACA節全開!ライブコーナーでは“ブレード”を使えるということもあり、客席の煌びやかに盛り上がった。

続いてI-1clubの新曲『Knock out』。続劇場版まで進んだ時系列としては、過去のヒット曲という位置づけでもある。

3曲目は各公演で異なったようだが、この公演は『言の葉 青葉』だった。イントロが流れた瞬間、“まさにこの舞台にふさわしい曲!”と、感じ入りながら聴き入った。

そしてラストは、Wake Up, Girls!とI-1club勢ぞろいによる『極上スマイル』。ヒートアップする中で締めとなった。


【伸びていく“青葉”】
観劇を終えて、“青葉の記録”というサブタイトルの意味にハッとさせられた。

“青葉山”“青葉城”“青葉通り”・・・“青葉”は仙台という街を象徴する言葉であり、その地が舞台になっているのだが、その本来の意味は「盛んに伸びていく樹木の葉」。まさに、この舞台が描いている“成長していく女の子たち”を表現する言葉だ。
そして、演じる役者も、3年前の『劇場版』のときは、活動を始めたばかりの“青葉”だった。

今回、舞台上を見つめながら、『劇場版』でのシーンが随所で頭の中にフラッシュバックしていたが、3年前から役者として格段に成長していることを実感することができた。『劇場版』では声の芝居だったが、今回の舞台は体を使った芝居であるから、相当な努力をしたうえでの成長である。

そして個人的には、1年前まで『Wake Up, Girls!のオールナイトニッポンモバイル』を制作していたという立場なので、7人のメンバーの大きなステップアップが実感できたことに感慨深いものがあった舞台だった。

“新章”としてのTVアニメ放送を控える中で、“役者”も“ワグナー”も、いい原点回帰をできた舞台。Wake Up,Girls!の次のステップが一層楽しみになってきた。

取材・文:yoppy編集長 安田 隆也
※ステージ写真は取材した公演とは別公演のものです

 

 

【「Wake Up,Girls! 青葉の記録」21日(土)夜の部 LIVEセットリスト】
1.ゆき模様 恋のもよう/Wake Up, Girls!【新曲】
2.Knock out/I-1club【新曲】
3.言の葉 青葉 /Wake Up, Girls!
4.極上スマイル/Wake Up, Girls!・I-1club

 

◆公演情報
舞台「Wake Up, Girls!青葉の記録」

日 程 :2017年1月19日(木)~22日(日) ※全8回公演
劇 場 :AiiA 2.5Theater Tokyo
出 演 :
≪Wake Up, Girls!≫
島田真夢役:吉岡茉祐/林田藍里役:永野愛理/片山実波役:田中美海/
七瀬佳乃役:青山吉能/久海菜々美役:山下七海/菊間夏夜役:奥野香耶/
岡本未夕役:高木美佑
≪I-1club≫
岩崎志保役:大坪由佳/近藤麻衣役:小山梨奈/吉川愛役:岩田華怜/
相沢菜野花役:水原ゆき/鈴木萌歌役:山下夏生/鈴木玲奈役:立花玲奈/
小早川ティナ役:日下部美愛

松田耕平役:一内侑/丹下順子役:田中良子

あらすじ:
仙台にある芸能プロダクション。『Green Leaves』は存続の危機を迎えていた。
社長の丹下順子は唯一の社員である松田耕平に言い放つ。「アイドルよ!! 早々、オーディションするわよ!!」思いつきなのか深い考えがあってのことなのか!? こうして青葉茂る仙台で、七人のアイドルが生み出されることになった。それぞれ、夢や希望だけではなく、傷や悩みを抱いた少女達の記録が、今、綴られることになるのであった

原 作 :Green Leaves
脚 本 :待田堂子
音 楽 :神前暁 MONACA
演 出 :柿ノ木タケヲ
スタッフ 美術:松本わかこ
舞台監督:大竹竜二
照明:大波多秀起(デイライト)
音響:前田規寛(S.S.E.D)
映像:noadd
衣裳:雲出三緒
ヘアメイク:B★Side
振付:SATOMI
演出助手:城内由夏子
制作:Office ENDLESS
主 催 エイベックス・ピクチャーズ株式会社

◆新曲情報
「ゆき模様 恋のもよう」
作詞:只野菜摘
作曲・編曲:広川恵一(MONACA)
歌:Wake Up, Girls!

「Knock out」
作詞:只野菜摘
作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
歌:I-1club

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